クラウドファンディングで伝統文化を継承する職人を支援する「伝統サポーターズ」


このままでは伝統産業の担い手がいなくなる

昨年ガイアックスでは、「クロススタートアップ」という新規事業プランコンテストがスタートしました。年に2回社内から新規事業企画を募集し、評価の高い企画はリーンスタートアップを導入し価値検証からスモールスタートしています。既に現在8つの新規事業が動いており、その第一弾として「伝統サポーターズ」という事業が価値検証をクリアし、今年の1月から事業として成長検証のフェーズに入っています。

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何百年も続く伝統産業がいま、消えようとしているのをみなさんご存知でしょうか?経済成長やグローバル化によって、代々職人により受け継がれていたものが工場での大量生産や自動化によってより安いものへと取って代わっています。もちろん、国や地方の行政で伝統工芸を守る動きはあります。ただ、伝統工芸として認定されているものしか支援できないという縛りもあります。例えば、民業の「ざる」は誰が作ったのかわかりません。そういった伝統工芸として認定されていない伝統産業は支援が困難です。そうなると、私たちが当たり前のように食べているおそば屋さんの「ざる」は、近い将来プラスチックに代わってしまうかもしれません。すでに一般家庭ではそういった製品は何ともあたたかみのないスーパーで安く販売されているものに代替されているかと思います。

需要が減ると価格も高くなり、職人も弟子を抱えられずたとえ自分の子どもであっても苦労するのが目に見えていれば継がせずに別の仕事に就かせることも少なくありません。いままさに伝統産業の担い手となる職人の後継者不足は深刻で、日本の素晴らしい伝統文化が途絶えようとしているのです。 

 

クラウドファインディングの仕組みで継続的に若手職人を支援する

そんな中、昨年の春クロススタートアップに当社の桜井里子が企画した「伝統サポーターズ」は、クラウドファンディングの仕組みを活かして、若手職人を継続的に支援できるよう毎月500円〜1500円をサポーターが職人を選んで支援するサービスを立上げました。クラウドファンディングの仕組みを活用するといっても、ワンタイムでその場の支援ではなく毎月継続することで安定的なファン形成と収入に繋がることを重視しています。

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着物や漆器など伝統工芸品や伝統産業の製品を購入される大半はその価値やその文化を理解し守ろうとする年配で占められています。特にデパートなどで催事も開かれていますが、若者はほとんどいませんし、若手職人はそういった場に出展できる機会がほとんどありません。また直接職人に制作を依頼するとなるとそんな繋がりを持っている人も少ないですし、高価な場合が多いです。

伝統サポーターズ」は、インターネットやソーシャルメディアを積極的に活用し、低単価で直接職人を支援できるようにすることで、若者でも気軽に参加し、若手職人の参加を中心に職人を集めています。若手職人といっても、10年は修行を積んでいる方を中心にしているため、3-40代の職人が多く、現在約30人の職人の募集をしており、毎月10人近くの新規職人の募集を開始しています。

支援された職人は毎年1回、お礼として自分の作品や体験工房のチケットをサポーターにプレゼントします。職人さんも自分のサポーターを大事にしたいと考えて、金額以上の素晴らしい作品をプレゼントされる方もいますし、地元で開催するイベントなどをお知らせしたり、新しい作品をサポーターの方に案内される方もいます。プロジェクトの成立には最低10人のサポーターを集める必要があるのですが、成立するとサイト上にサポーターとの限定コミュニティができて、直接交流できるようになるのです。今後、「市民参加型ものづくり支援コミュニティサイト」として職人とサポーターとの関係性を高めていけることを目指しています。

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(職人からプレゼントされる素敵なプレゼント)

 

4000字以上のインタビューで職人さんのストーリーを知ってもらう

伝統工芸品や職人さんによる民芸品は、海外やブランドメーカーからその技術力を評価されてコラボレーションする機会は度々あります。しかしながら、それはブランドや製品が注目されるだけであって、作り手の人にフォーカスされたり、職人さんが日の当たりに出ることはほとんどありません。また大量生産ができるわけでもないので、製品販売のプロモーションにはなっても、職人さんの仕事につながっていくことはあまりありません。

伝統サポーターズ」では、人を中心として「伝統産業の職人・作り手とサポーターを継続的に繋げる」ことをミッションと掲げているため、職人さんへのインタビューには力を入れて、サポーター募集ページには4000字以上の職人さんの思いや人を紹介しています。サポーターになる方は、その思いに共感された方が支援者になってくれます。

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 (栃木県の竹工芸家の佐川さん、サポーター募集ページはこちら

OLYMPUS DIGITAL CAMERA(佐川さんのお礼の品のコースターセット)

 

職人と直接交流ができる体験イベントを開催

2015年3月28日(土)13:00より、東京・大田区の安詳寺で伝統サポーターズで初となるリアルイベントを開催します。スペースマーケットで400年以上の由緒あるお寺を借りて、日本の伝統文化である「刀剣」と「竹工芸」の職人に来て頂き、体験イベントや、日本刀の講義や演舞をして頂きます。こうした職人と実際に会って、体験・交流するイベントにも力を入れていく予定です。

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(大田区、安詳寺)

 

初回は刀剣職人・大塚寛信さん講師による「初めて日本刀を学ぶ人のための“日本刀いろは”講座」と、竹工芸家・佐川岳彦さん講師による「柔の竹で作る“美工芸”体験工房」の2種類を同時開催。日本刀講座では、居合の演舞も披露します。

IMG_9684(刀剣職人、大塚さんのサポーター募集ページはこちら

 

なお、当日は「あぶくま食の遺産」プロジェクトに協力頂き、福島県の”かーちゃん”たちが真心込めて作る伝承料理を提供します。既に一般参加者の申込みは締め切りましたが、このイベントを広めてくれるメディア関係者やブロガーの方はまだ少し参加できます。取材頂ける方は、ぜひイベントページよりお申込み下さい。

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職人さんにとってもこういったイベントは実際に支援者や興味を持っている人たちと交流したり、伝統文化を知ってもらえるとても良い機会になります。私たちも普段職人さんに会う機会や直接職人さんの話を聞く機会はほとんどありません。伝統サポーターズの支援の輪が拡がることで、日本の伝統文化が守られ、私たちにとっても手づくりで想いのこもった作品を購入したり、実際に職人さんに教えてもらって自分で作るような豊かな生活をする人たちが増える社会にしていきたいと考えています。

今後は海外からもサポーターを募集する予定で、クラウドファンディングやソーシャルメディアを活用することによって、職人さんにとって都心部や海外への販路や支援者をつくり、職人さん同士のコラボレーションも展開していきたいと考えています。

ぜひ興味のある職人を見つけて、サポーターへのご登録やサービスを拡げて頂けると幸いです。伝統サポーターズに参加する職人さんも引き続き募集しています。職人・作り手の方は、こちらからエントリーください。

・募集している主な職種

木工(指物)・家具、陶磁器、漆器、染織物、和紙、宮大工・建築、浮世絵・日本画(切り絵)、文具、金工、鋳物、ガラス細工、人形・玩具、竹・編組、木工芸、革工芸、手芸・刺繍、刃物、彫刻・石彫、装飾、 和楽器、花火、盆栽、和菓子、伝統食、寝具・住まい(畳)、仏壇・仏具など

伝統サポーターズでは、Facebookページで職人さんの最新情報のご紹介や、Instagramで素晴らしい作品の写真をご紹介しています。ぜひみなさま、いいね、フォローをお願いします。

一緒にサービスを創ってくれるエンジニアも募集しています。ぜひ共感頂ける方は、ご応募ください。


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